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植物の香り、心地よい手触り、背景にある物語。東洋発想の化粧品に惹かれたら、その楽しさを大切にしながら、今の肌と暮らしに合うかを確かめてみましょう。
東洋発想の化粧品とは、東洋医学やアジアの伝統的な植物利用を、原料やコンセプトの発想源にした化粧品のことです。法律上の区分ではなく、ブランドの世界観を表す呼び方です。東洋びよりは、物語を楽しみながら、表示と使い方を自分で確かめられる選び方を提案します。
この記事の要点
- 「和漢」「巡り」「五行」は世界観の言葉。化粧品としての働きを示す表示とは分けて読む
- 最初に見るのは「化粧品」か「医薬部外品(薬用)」かという区分
- 全成分は配合量の多い順。ただし1%以下は順不同で、植物エキスの多くはここに入る
- 「漢方化粧品」という表示は、国内のルールでは認められていない
- 植物由来でもかぶれることはある。新しい製品は一度に一つ、異変が出たら中止する
気になった一品で、最初に見るところ
- どんなときに使うもの? 使用目的と使い方を見る。
- 好きな使い心地? 香りや感触が確かめられるサンプルがあれば利用する。
- 続けやすい? 価格だけでなく内容量や一回の使用量も見る。
- 自分に使える? 成分表示と注意事項、販売元を確認する。
気に入ったものを、納得して選ぶための手がかりです。香りや物語への好みと、肌への効果は分けて考えましょう。
「和漢」「巡り」「五行」。パッケージの言葉は何を意味する?
東洋発想の化粧品によく使われる言葉には、東洋医学での本来の意味があります。ただし、それが化粧品のパッケージに書かれたときに、同じ意味を持つとは限りません。
| 言葉 | 東洋医学でのもともとの意味 | 化粧品に書かれているとき |
|---|---|---|
| 和漢・和漢植物 | 日本と中国で伝統的に使われてきた植物やその知恵を指す、広い呼び方 | 法律上の定義はない。植物エキスが保湿などの目的で配合されていることを指すのが一般的。どの植物かは全成分で確かめる |
| 漢方 | 中国から伝わった医学をもとに日本で発展した医学と、その考え方に基づく薬 | 「漢方○○」のように医薬品とまぎらわしい名称は、化粧品には使えない。「漢方化粧品」をうたう製品は、表示の姿勢を確かめたい |
| 生薬 | 植物、動物、鉱物など、天然由来の薬の原料 | 化粧品の成分を「生薬エキス」「漢方成分」と表現することは、業界の広告基準で認められていない |
| 巡り | 気・血・水が滞りなく流れている状態を大切にする考え方 | 化粧品に認められた効能に「血行促進」は含まれない。使用感やブランドの世界観を表す言葉として読む |
| 気血水 | 体を支える三つの要素として体の状態を捉える、東洋医学の考え方 | シリーズのコンセプトとして使われる。製品の働きを示す表示ではない |
| 五行 | 木・火・土・金・水の五つで、自然や季節、体のつながりを整理する考え方 | 香りやラインナップの分け方の発想源。「あなたは○タイプ」という診断風の分類は、肌への働きを保証するものではない |
| 韓方(ハンバン) | 韓国で発展した伝統医学 | 韓国コスメのカテゴリー名。日本で正規に販売される製品は、日本の化粧品のルールで表示される |
これらの言葉が使われているから悪い、ということではありません。広告で語られるコンセプトは、ブランドを理解する大切な手がかりです。一方で、何を肌に使うかは、容器や公式情報に示された具体的な表示で判断します。物語は物語として楽しみ、中身は表示で確かめる。この二段構えが基本です。
まずどこを見る?「化粧品」と「薬用(医薬部外品)」の違い
パッケージで最初に確認したいのは、その製品の区分です。同じように見えるクリームでも、区分によって「言ってよいこと」が変わります。
| 区分 | パッケージでの見分け方 | 表示できること |
|---|---|---|
| 化粧品 | 「医薬部外品」「薬用」の表示がない | 「肌にうるおいを与える」「肌をすこやかに保つ」など、定められた範囲の効能のみ |
| 医薬部外品(薬用化粧品) | 「医薬部外品」「薬用」と表示されている | 有効成分を含み、「肌あれを防ぐ」など、国に承認された効能を表示できる |
| 医薬品 | 「第○類医薬品」などと表示されている | 病気の治療や予防を目的とする。化粧品とは別のもの |
どちらが優れているという話ではありません。化粧品なのに、肌の悩みが治るかのような説明をしている製品は、表示のルールから外れている可能性がある、という目安になります。
全成分表示は、どう読めばいい?
日本で販売される化粧品には、配合されたすべての成分を表示する義務があります。読み方のルールは三つです。
- 配合量の多い順に並ぶ。 多くの化粧水や美容液では、最初に「水」が来ます。
- 1%以下の成分と着色剤は、順不同でよい。 植物エキスの多くはこの範囲に入るため、並び順から量の多少は判断できません。
- 植物は、決められた表示名称で書かれる。 たとえば、甘草は「カンゾウ根エキス」、当帰は「トウキ根エキス」、高麗人参は「オタネニンジン根エキス」、ハトムギは「ハトムギ種子エキス」といった具合です。
「和漢植物配合」とうたわれていたら、全成分の中から、その植物の名前を探してみてください。広告で特定の成分を目立たせる場合は、「保湿成分」のように配合の目的を併記するのが業界のルールです。目的が書かれているかどうかも、ブランドの丁寧さを測る物差しになります。
なお、医薬部外品は表示の仕方が異なり、「有効成分」と「その他の成分」に分けて書かれます。その他の成分の並び順は、配合量の順とは限りません。
植物由来や無添加なら、肌にやさしい?
植物由来であることだけでは、刺激が少ないとは限りません。植物のエキスや精油でかぶれることもあります。「自然」「伝統」という印象も、安全性を自動的に保証するものではありません。
よく見かける言葉にも、知っておきたい前提があります。
- 無添加:法律上の定義はありません。何を入れていないのかを明示することが広告上のルールです。「何が無添加なのか」が書かれているかを確認します。
- 天然・植物由来:原料の由来を示す言葉で、肌へのやさしさを示すものではありません。
- オーガニック:日本には、化粧品のオーガニックに関する公的な認証制度がありません。認証マークがある場合は、どの団体の基準かを確かめます。
新しい化粧品は、どんな順番で試せばいい?
新しい美容液、クリーム、パックを同じ日に始めると、肌に変化が出たとき原因を特定しにくくなります。まず一品を、使用方法どおりに。次の製品を足すのは、一、二週間ほど様子を見てからが安心です。
心配なときは、二の腕の内側など目立たない部位に少量を塗り、数日様子を見る方法もあります。これはあくまで自分でできる簡易な確認で、医療機関で行うパッチテストとは別のものです。過去に化粧品でかぶれたことがある方は、皮膚科で相談してください。
体調や季節が変わると、いつもの製品でも使用感が変わります。「合わない自分」を責めず、量や頻度を戻し、必要なら使用をやめます。
海外の東洋コスメを買うときの注意点は?
韓方コスメやアジア各地のブランドを、旅先や海外の通販サイトで買う方も多いでしょう。知っておきたいのは、個人輸入した化粧品は、日本の法律に基づく品質や安全性の確認を受けていないという点です。日本では配合が認められていない成分が含まれていたり、偽造品であったりする場合もあり、厚生労働省も注意を呼びかけています。
日本語の全成分表示と、国内の製造販売元の名称・住所があるかどうかが、国内のルールのもとで流通している製品かを見分ける目安になります。トラブルが起きたときの問い合わせ先が国内にあるかも、大切なポイントです。
信頼できる東洋美容ブランドは、どこで見分ける?
良い東洋美容ブランドは、原料の由来を語るだけでなく、製品の区分、使い方、注意事項、問い合わせ先を分かりやすく示します。店頭や公式サイトで、次の五つを順に確かめてみてください。
- 区分:化粧品か、医薬部外品(薬用)か
- 全成分:うたわれている植物が、実際に表示されているか。配合の目的が添えられているか
- 使用方法と注意事項:量、頻度、使ってはいけない場合が書かれているか
- 製造販売元と問い合わせ先:名称、住所、連絡先が明記されているか
- 監修者:専門家の監修がある場合、氏名、資格、関わった範囲が明確か。「専門家監修」の一言だけで、誰が何を見たのか分からないものは、判断材料になりません
世界観に惹かれることは、化粧品を選ぶ楽しみの一つです。そのうえで、物語の豊かさと同じだけ、表示の透明性にも力を注いでいるブランドを選んでください。
肌トラブルが出たら、どうすればいい?
使用中に赤み、かゆみ、腫れ、痛みなどが出たら、まず使用を中止してください。症状が強い、または続く場合は、皮膚科など医療機関へ相談します。受診の際は、使った製品を持参するか、製品名と全成分が分かる写真を用意すると、原因を探る助けになります。
メーカーのお客様相談窓口に連絡することも大切です。販売店やメーカーとのやりとりで困ったときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。
よくある質問
- Q. 「和漢」と「漢方」は、何が違いますか?
- A. 「漢方」は医学と、その考え方に基づく薬を指す言葉で、化粧品の名称や広告に「漢方○○」と使うことは認められていません。「和漢」は法律上の定義がない一般的な呼び方で、化粧品では植物エキスを配合していることを指すのが一般的です。
- Q. 植物由来の化粧品なら、敏感肌でも安心ですか?
- A. 植物由来であることは、刺激が少ないことの保証にはなりません。植物のエキスや精油でかぶれることもあります。新しい製品は一度に一つずつ試してください。
- Q. 「薬用」と書かれた製品のほうが、優れていますか?
- A. 優劣の問題ではありません。「薬用」は医薬部外品のことで、有効成分を含み、国に承認された効能を表示できるという区分の違いです。自分の目的と肌に合うかどうかで選びます。
- Q. 全成分表示で、植物エキスが最後のほうに書かれています。少ないということですか?
- A. 1%以下の成分は順不同で書けるため、並び順だけでは判断できません。植物エキスは少量で配合されることが多く、量の多さがそのまま製品の良さを示すわけでもありません。
- Q. 「五行タイプ診断」で勧められた化粧品は、自分に合いますか?
- A. 五行は、自然や体のつながりを整理する東洋の考え方で、ブランドの世界観を楽しむ入口になります。ただし、肌に合うかどうかを保証するものではありません。全成分と使用感で、自分で確かめてください。
東洋びよりからのお知らせ
本記事は、日々の美容と健康について考えるための一般情報です。診断や治療を目的とするものではありません。強い症状、急な変化、長引く不調がある場合は、医師・薬剤師など適切な専門家へご相談ください。治療中の方は、医療者の指示を優先してください。
本記事は広告・PRを含まない編集記事です。特定の商品やブランドを推奨、または批判するものではありません。表示のルールは改定されることがあります。
参考情報
- 厚生労働省「化粧品の全成分表示の表示方法等について」
- 厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」(PDF)
- 日本化粧品工業会「適正広告」
- 厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
- 公益社団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「かぶれ」
参考情報は2026年9月21日に確認しました。
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監修者プロフィール
濱田文恵(はまだ ふみえ)
鍼灸師(はり師・きゅう師)/美容家/国際中医師/国際中医薬膳師/毛髪診断士/登録販売者
日本鍼灸キャスティング株式会社(Acu Cast)代表取締役。ENBICHOJU鍼灸院(東京都江東区)院長。2015年より美容ライターとして活動。美容業界での経験と東洋医学の資格の両方を軸に、「東洋の知恵と、西洋の美容で。」をテーマに発信している。



