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一日の用事が終わったら、もう何も増やしたくない夜もあります。画面を閉じる、明かりを落とす、寝具を整える。眠る前の支度は、今夜できそうなひとつを選ぶところから。
ここでは、寝る時刻から逆算する手順ではなく、その日の気分で選べる工夫を紹介します。すべてを行ったり、同じ順番を守ったりする必要はありません。
まず知っておきたいこと
- 今夜できそうなことをひとつ選ぶ。何分かけるかは決めなくてよい
- 明かり・室温・寝具など、過ごしやすい環境を考える
- 眠れない状態や日中のつらさが続くときは専門家へ相談する
今夜、ひとつ選ぶなら
- 画面から離れたい:必要な連絡を終えたら、スマートフォンを置く。
- まぶしく感じる:安全に動ける明るさを保ちつつ、照明を調整する。
- 暑い・寒い:室温や掛けものを、心地よいほうへ。
- 落ち着きたい:楽な姿勢で、無理のない呼吸を。苦しさがあればやめる。
何もしないで休む日があっても大丈夫。工夫をこなしたかどうかを、眠りの採点に使わないでください。
明かりを、休みやすいほうへ
夜の強い光と画面は、体を「まだ昼間だ」と勘違いさせる刺激になります。厚生労働省の睡眠ガイドも、寝る前や寝床の中でのデジタル機器の使用を避けること、寝室をなるべく暗くすることを勧めています。
とはいえ、スマートフォンを完全に手放せない夜もあります。まずは画面の明るさを落とし、通知を切り、寝床から少し離れた場所へ置きます。部屋の照明も一段暗くします。天井の明かりを消して、低い位置の小さな明かりだけにするのも一つの方法です。
続けるコツは、禁止を増やさないことです。返信が必要な連絡を終えたら、温かい飲み物を用意する。「やめる」ではなく、次の行動を決めておくと、画面から離れやすくなります。
室温と寝具を、心地よさで選ぶ
答えは、心地よさで選ぶことです。
入浴するなら、熱さを我慢せず、心地よい温度で。眠る直前の熱いお風呂は体を目覚めさせやすいので、できれば少し早めの時間に済ませておきます。足元だけを温める日があっても構いません。洗面器に湯を張って数分、足をつけるだけでも、体のこわばりがゆるみます。
寝具や部屋が暑すぎると感じたら、温めることにこだわらず調整します。睡眠ガイドも、寝室を心地よい温度にすることを勧めています。
東洋の養生には冷えを避ける考え方がありますが、誰にとっても同じ温度が良いわけではありません。その日の感覚と安全を優先します。
足元に、やさしく触れる
東洋の養生では、夜は一日の活動を収めて、静かに過ごす時間とされてきました。眠る前に足元を温めたり、やさしく触れたりする習慣も、その一つです。足の裏の、指を曲げたときにくぼむあたり(湧泉)や、かかとの中央(失眠)は、眠る前に温めたり、手のひらで包むように触れたりする場所として親しまれてきました。強く押す必要はありません。一日働いた足をねぎらうように、心地よい強さで。
呼吸は、頑張らなくていい
姿勢を楽にして、吸う長さより少しだけ長く吐きます。
- 椅子に深く腰かけるか、仰向けになり、肩の力を抜く
- 鼻から、四つ数えながら吸う
- 口か鼻から、六つ数えながら、細く長く吐く
- これを五回ほど
数は目安です。息を止めたり、無理に深く吸おうとしたりしないでください。苦しければ、すぐに普通の呼吸へ戻します。数を数えることが負担なら、湯気や香りを静かに眺めるだけでもよいでしょう。頑張らないことが、この時間の目的です。
時間に余裕のある日に、見直せること
夜支度の心地よさは、その日の過ごし方にも左右されます。睡眠ガイドが挙げているポイントから、取り入れやすいものを三つ。
- 夕方以降のカフェインを控える:コーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、烏龍茶、ほうじ茶にも含まれます。選び方は「香りと気分で選ぶ、お茶の時間」で紹介しています
- 寝酒に頼らない:お酒は寝つきをよくするように感じられますが、睡眠ガイドは、寝酒の習慣がかえって眠りを悪化させるとしています
- 就寝直前の夕食や夜食を控える:遅くなる日は、軽めに済ませます
日中に体を動かし、朝に光を浴びることも、夜の眠りにつながります。「白露の朝に始める、乾きと上手につき合う支度」で紹介した朝の観察や水分補給とあわせて、一日の流れで考えてみてください。夜の二十分は、その締めくくりです。
それでも眠れない夜は、どうすればいい?
夜支度をしても、眠れない夜はあります。そんなときは、寝床で頑張らないことです。
- 時計を見ない。「あと何時間しか眠れない」という計算が、いちばん目を覚まさせます
- 眠くなってから寝床に入る。眠れないまま長く横になっているときは、一度起きて、暗めの部屋で静かに過ごし、眠気が来たら戻ります
- 一晩眠れなくても、翌日に取り返そうとしない。いつもの時間に起きて、朝の光を浴びます
どんなときは、専門家に相談すべき?
眠れない日が長く続く、日中の生活に支障がある、強い不安や落ち込みがあるときは、医療機関や相談窓口を利用してください。大きないびきを指摘される、十分に寝ているはずなのに日中の眠気が強い、といったときも同じです。睡眠ガイドは、生活習慣を整えても眠りの問題が続く場合、不眠症や睡眠時無呼吸、うつ病などが隠れている可能性があるとして、医師への相談を勧めています。まずは、かかりつけ医に話してみてください。
眠れないのは、あなたの養生が足りないからではありません。夜の習慣だけで解決しようとしないことも、大切な養生です。
よくある質問
毎晩、全部しないといけませんか?
いいえ。かける時間や順番は決めなくて構いません。今夜の自分にとって負担の少ないものをひとつ選んでください。
Q. スマートフォンを目覚ましに使っています。寝床から離せません。
手を伸ばしても届かない位置に置くだけでも違います。画面を下に向け、通知を切っておきましょう。目覚まし時計を別に用意するのも一つの方法です。
Q. 眠る前の温かい飲みものは、何がいいですか?
白湯、麦茶、黒豆茶など、カフェインを含まないものを少しだけ。ほうじ茶にもカフェインは含まれます。飲みすぎると夜中に目が覚めやすくなります。
Q. アロマや音楽を使ってもいいですか?
心地よく感じるなら、取り入れてください。ただし、この記事の夜支度は、道具を足すより、刺激を減らすことを大切にしています。火を使うものは、眠る前に必ず消してください。
Q. 何時間眠ればいいですか?
厚生労働省の睡眠ガイドは、成人では六時間以上を目安としています。必要な時間には個人差があり、朝目覚めたときに「休まった」と感じられるかどうかも、大切な目安です。
東洋びよりからのお知らせ
本記事は、日々の美容と健康について考えるための一般情報です。診断や治療を目的とするものではありません。強い症状、急な変化、長引く不調がある場合は、医師・薬剤師など適切な専門家へご相談ください。治療中の方は、医療者の指示を優先してください。
本記事は広告・PRを含まない編集記事です。紹介した習慣は、眠りへの効果を保証するものではありません。
参考情報
参考情報は2026年9月21日に確認しました。
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監修者プロフィール
濱田文恵(はまだ ふみえ)
鍼灸師(はり師・きゅう師)/美容家/国際中医師/国際中医薬膳師/毛髪診断士/登録販売者
日本鍼灸キャスティング株式会社(Acu Cast)代表取締役。ENBICHOJU鍼灸院(東京都江東区)院長。2015年より美容ライターとして活動。美容業界での経験と東洋医学の資格の両方を軸に、「東洋の知恵と、西洋の美容で。」をテーマに発信している。



