なつめ、クコの実、しょうが、ハーブ。植物を漬けた「薬酒」は、お酒を香りと色で楽しむ文化の一つです。医薬品の「薬用酒」との違い、家で漬けるときの法律のルール、飲むときの注意をまとめます。

この記事の要点

  • 「薬酒」は、生薬や果実、ハーブなどの植物を漬けたお酒の呼び名。決まった定義はない
  • 医薬品として承認された「薬用酒」は、効能・効果が国に認められたもので、食品のお酒とは別
  • 家で漬けるなら、アルコール分20度以上の課税済みのお酒を使い、米・麦・ぶどうなど決められた物品は入れない。自ら飲むために漬け、売らない
  • 20歳未満は飲めない。運転前、妊娠中・授乳中、服薬中は飲まない
  • 「効く」ことを期待するより、香りと味わいを少量で楽しむお酒として

薬酒とは、どんなもの?

薬酒(やくしゅ)は、焼酎などのお酒に、生薬や果実、ハーブ、スパイスなどの植物を漬けて、香りや色、味わいを移したお酒の呼び名です。梅酒やかりん酒のような果実酒も、その仲間といえます。中国や韓国、日本で古くから家庭でつくられてきました。

「薬酒」という言葉に法律上の定義はなく、店で出されるもの、家で漬けるもの、市販の商品など、さまざまな形があります。

医薬品の「薬用酒」とは、何が違う?

食品のお酒(いわゆる薬酒・果実酒)医薬品の薬用酒
位置づけ酒類(食品)医薬品。パッケージに「第2類医薬品」などの区分
効能の表示できない国に認められた効能・効果が書かれている
飲み方決まりはない用法・用量が決められている
買える場所酒店、スーパーなど薬局・ドラッグストアなど

同じように植物を漬けたお酒に見えても、医薬品の薬用酒は、用法・用量を守って飲むものです。飲んでいる薬がある方は、薬剤師に相談してください。

家で漬けるときの、法律のルールは?

お酒に何かを漬けて新しいお酒をつくることは、酒税法では原則として「酒類の製造」とみなされます。ただし国税庁は、消費者が自分で飲むために、次の条件を守って漬ける場合は、例外的に製造に当たらないとしています。

  • 使うお酒:アルコール分20度以上で、酒税が課税済みのもの(果実酒用のホワイトリカーなど)
  • 入れてはいけないもの:米、麦、あわ、とうもろこしなどの穀類やでん粉、それらのこうじ、ぶどう(やまぶどうを含む)など。ほかにも、アミノ酸や酒かすなど、決められた物品がある
  • 用途:消費者が自ら飲むため。贈答や店での提供などは別途確認する
  • 売らない:できたお酒を販売することはできない

詳しい条件は、国税庁の「お酒に関するQ&A(自家醸造)」で確かめてください。

家で漬けるなら、何を使う?

食品として売られている素材を使います。なつめ、クコの実、しょうが、陳皮(みかんの皮)、シナモンなどは、食品として手に入りやすい素材です。素材については「和漢素材図鑑」で紹介しています。

生薬の中には、医薬品にしか使えないものがあります。漢方薬局で買った生薬や、医薬品の表示があるものは、お酒に漬けて使わないでください。

飲むときに、気をつけることは?

  • 20歳未満は飲めない
  • 運転前は飲まない
  • 妊娠中・授乳中は飲まない
  • 薬を飲んでいる方:お酒と薬の組み合わせによっては、危険なことがあります。医師や薬剤師に相談してください
  • 量を決める:植物の香りがあっても、お酒はお酒です。少量を、ゆっくり楽しんでください

飲酒による影響には個人差があり、少量でも健康へのリスクがあります。飲まない方が、健康のために飲み始める必要はありません。

薬酒を学べる講座や、イベントを探すには?

東洋びよりの「お店・サービスを探す」では、学び・講座のカテゴリーから、薬酒について基礎から学べる講座を探せます。期間限定のイベントは「期間限定の出会い・体験」にまとめています。

よくある質問

Q. 日本酒やワインで漬けてもいいですか?

A. アルコール分20度未満のお酒は使えません。ワインはぶどうからつくられるお酒ですが、使うお酒の度数が条件に合わないことが多いので、注意してください。

Q. 自分で漬けた薬酒を、友人にあげてもいいですか?

A. 販売はできません。贈答など自家消費以外の扱いは、所轄の税務署へ事前に確認してください。

Q. 薬酒は、体を温めるために飲むものですか?

A. お酒を飲むと温かく感じることがありますが、飲みすぎると体が冷えることもあります。体を温める目的でお酒を飲むことは勧められません。

東洋びよりからのお知らせ

本記事は、日々の美容と健康について考えるための一般情報です。診断や治療を目的とするものではありません。飲酒は20歳になってから。妊娠中・授乳中の飲酒、飲酒運転は法律や健康の観点から避けてください。

本記事は広告・PRを含まない編集記事です。特定の商品や講座を推奨するものではなく、薬酒の効果を示すものでもありません。酒税法に関する記述は国税庁の公開情報に基づく一般的な内容で、監修の範囲外です。

参考情報

参考情報は2026年11月4日に確認しました。

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監修者プロフィール

濱田文恵(はまだ ふみえ)

登録販売者/国際中医薬膳師/鍼灸師(はり師・きゅう師)/国際中医師/美容家/毛髪診断士 日本鍼灸キャスティング株式会社(Acu Cast)代表取締役。ENBICHOJU鍼灸院(東京都江東区)院長。2015年より美容ライターとして活動。美容業界での経験と東洋医学の資格の両方を軸に、「東洋の知恵と、西洋の美容で。」をテーマに発信している。