杏仁豆腐の上の赤い粒、薬膳スープの彩り、海外で「ゴジベリー」と呼ばれるスーパーフード。クコの実はどんな植物で、どう食べればいいのか。生薬としての名前と、選び方の注意をまとめます。

この記事の要点

  • クコの実は、ナス科のクコの果実を乾燥させたもの。生薬名は「枸杞子(くこし)」
  • 海外で「ゴジベリー」と呼ばれるのは、主に近い仲間の植物の実
  • 厚生労働省のリストではクコ(Lycium chinense)の果実・葉と根皮で区分が異なる。海外製品を含め、種類と部位、食品としての表示を確かめる
  • 一度に数粒〜十粒ほどを、料理の彩りやお茶に。たくさん食べれば何かが変わるものではない
  • 血液を固まりにくくする薬を飲んでいる方は、続けてとる前に医師や薬剤師に相談を

クコの実とは、どんな植物?

クコは、ナス科の落葉低木です。日本でも、川原や道ばたに自生しているのを見かけることがあります。秋に赤く熟す小さな実を乾燥させたものが「クコの実」です。

生薬としては「枸杞子(くこし)」と呼ばれ、中国では古くから、料理やお茶、お酒に使われてきました。

ゴジベリーとは、同じもの?

海外で「ゴジベリー(goji berry)」として売られているものは、主に中国の寧夏(ねいか)地方などで栽培される、クコに近い仲間の植物の実です。日本のスーパーで売られているクコの実も、この仲間のものが多くあります。

どちらも同じように料理に使えますが、パッケージの原材料名や原産地を見ると、どこで採れたものかが分かります。

食品と医薬品の区分は?

厚生労働省のリストでは、クコ(Lycium chinense)の果実と葉は「医薬品的な効能効果をうたわない限り、医薬品とは判断しない原材料」とされています。一方、根の皮は「地骨皮(じこっぴ)」という生薬で、「専ら医薬品」に分類されています。

同じ植物でも、使う部位によって扱いが違う例です。この記載だけで、近縁種や海外製品すべての区分を判断することはできません。国内で食品として販売され、原材料・原産地・販売者の表示を確認できる製品を選びましょう。

食品として、どう使う?

使い方量の目安ひと工夫
お粥・スープ一人分に数粒〜十粒仕上げに入れると色がきれい
お茶湯のみ一杯に数粒なつめや菊花と合わせることも
デザート杏仁豆腐やヨーグルトに数粒ぬるま湯で軽く戻すとやわらかくなる
サラダ・和えもの少量水で戻してから

クコの実は、たくさん食べれば何かが変わる、という素材ではありません。料理の彩りと、やさしい甘みを楽しむ量で十分です。

中医学では、どう捉えられてきた?

中医学では、枸杞子は、体を潤し養う側の生薬と考えられてきました。目の疲れや、年齢を重ねることと結びつけて語られることもあります。

これは伝統的な生薬の捉え方で、クコの実を食べれば目がよくなる、という意味ではありません。食品としては、季節の料理の彩りとして楽しんでください。

買うときに見る表示は?

  • 原材料:「クコの実」だけのものか。砂糖や油でコーティングされたものもある
  • 原産地:書かれているかを確かめる
  • 有機の表示:有機JASマークがあるか(気になる方は)
  • 保存方法:開封後は密閉して冷蔵庫へ。湿気るとカビやすい

薬膳の食材の買い方は「薬膳の食材はどこで買う?」でまとめています。

気をつけたいのは、どんな人?

  • 血液を固まりにくくする薬を飲んでいる方:クコの実との組み合わせで、薬の効き方に影響した例が報告されています。特にワルファリンを服用している方は、量の多少を自己判断せず、食べる前に医師や薬剤師に相談してください
  • ナス科の食物にアレルギーのある方:原材料を確かめ、気になる場合は医師に相談してください
  • 妊娠中・授乳中の方:料理に使う量を超えて毎日とる場合は、主治医に相談してください
  • 小さな子ども:乾燥した実はのどに詰まることがあります。戻してやわらかくし、刻んでから

クコの実を扱う店を探すには?

東洋びよりの「お店・サービスを探す」では、食・お茶の「薬膳食材」から、クコの実などを扱う店を探せます。

よくある質問

Q. そのまま食べてもいいですか?

A. 食べられます。干しぶどうのような甘みがあります。硬いと感じる場合は、ぬるま湯で数分戻してください。

Q. どのくらい日持ちしますか?

A. 未開封時の期限と、開封後の保存方法は製品表示に従ってください。開封後は湿気を避け、早めに使い切りましょう。

Q. クコの葉のお茶は、実と同じものですか?

A. 同じ植物ですが、部位が違います。クコ茶は葉を使ったお茶で、実とは味も香りも異なります。

東洋びよりからのお知らせ

本記事は、日々の美容と健康について考えるための一般情報です。診断や治療を目的とするものではありません。強い症状、急な変化、長引く不調がある場合は、医師・薬剤師など適切な専門家へご相談ください。治療中の方は、医療者の指示を優先してください。

本記事は広告・PRを含まない編集記事です。生薬に関する記述は伝統的な考え方を紹介するもので、クコの実の効果や効能を示すものではありません。

参考情報

参考情報は2026年11月4日に確認しました。

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監修者プロフィール

濱田文恵(はまだ ふみえ)

国際中医薬膳師/登録販売者/鍼灸師(はり師・きゅう師)/国際中医師/美容家/毛髪診断士 日本鍼灸キャスティング株式会社(Acu Cast)代表取締役。ENBICHOJU鍼灸院(東京都江東区)院長。2015年より美容ライターとして活動。美容業界での経験と東洋医学の資格の両方を軸に、「東洋の知恵と、西洋の美容で。」をテーマに発信している。