朝の一杯、食後の一杯。お茶を飲む習慣は、骨の健康とも関係するのでしょうか。中国・広州の地域住民を長く追った研究で、その関連が報告されました。結論から言うと、お茶を飲めば骨が強くなると言える研究ではありません。わかったことと、まだわからないことを整理します。
この記事の要点
- 中国・広州の地域住民1,708人を13年間追った観察研究
- 飲茶の頻度と骨の指標には関連がみられたが、因果関係は断定できない
- 適切な杯数や、薬膳茶全般の効能を示した研究ではない
お茶を飲む習慣を長く追った研究
2026年8月に公表された研究は、地域に住む1,708人を対象に、13年間で骨密度などを4回測定しました。お茶を飲む頻度を分けて比べたところ、中程度の頻度で飲む人では、全身や腰椎、大腿骨頸部などの骨の指標が比較的良好でした。血液中のカテキン類(お茶に多く含まれる成分)の一部にも、骨の指標との関連がみられています。[1]
ただし、頻繁に飲むほど、また血液中の成分が多いほど、一貫して骨の指標が良くなる結果ではありませんでした。「たくさん飲むほどよい」とは読めない結果です。[1]
一杯の効果を確かめた試験ではない
この研究は、お茶を飲む生活と骨の指標を追った観察研究です。お茶を飲むかどうかを研究者が割り当て、その効果を比較した試験ではありません。食事や運動など、ほかの生活習慣の影響が残る可能性もあります。お茶を飲む頻度は参加者の申告によるもので、血液成分の測定も研究開始時の1回だけでした。
そのため、「お茶が骨を強くした」と因果関係を断定することはできません。また、骨の測定値との関連を、そのまま骨折や骨粗しょう症の予防効果に置き換えることもできません。
薬膳茶にも同じことが言えるのでしょうか
養生の飲みものとしてお茶を選ぶとき、なつめや花、草などを合わせたお茶が気になる方もいるでしょう。けれど、この研究の結果を、配合の異なる薬膳茶やハーブティー全般に広げることはできません。
伝統的な養生の考え方を知ることと、現代の研究で何が確認されているかを知ることは、それぞれ大切です。記事や商品の説明で研究が引用されていたら、その研究が同じ飲みものを調べたものかを確かめると、情報を落ち着いて受け取れます。
今日の一杯を楽しむために
今回参照した要旨では、「中程度の頻度」が1日何杯にあたるかは示されていません。この研究を根拠に、一日の杯数を決めたり、飲む量を増やしたりする提案はできません。
お茶の香りが好き。食後にひと息つきたい。そうした自分の好みから一杯を選ぶ時間も、暮らしの楽しみです。東洋びよりでは、健康に関する新しい研究を、効能の約束ではなく、日常を見つめ直すきっかけとして紹介していきます。
骨の状態が気になる方は、飲みものだけで判断せず、自治体の骨粗しょう症検診や医療機関で骨密度を測り、相談してみてください。
参考文献
[1] He S, et al. Relationship of tea consumption and its circulating biomarkers with longitudinal bone mineral changes: a prospective cohort study with repeated measurements. The American Journal of Clinical Nutrition. 2026;124(4):101466. オンライン公表 2026年8月10日。
論文 DOI 10.1016/j.ajcnut.2026.101466
この記事の研究紹介は、PubMedに掲載された論文の抄録に基づいています。具体的な茶の種類、飲用量、頻度区分など、全文での確認が必要な内容は紹介していません。確認日 2026年10月12日。
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本記事は、日々の美容と健康について考えるための一般情報です。診断や治療を目的とするものではありません。強い症状、急な変化、長引く不調がある場合は、医師・薬剤師など適切な専門家へご相談ください。治療中の方は、医療者の指示を優先してください。
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参考情報
参考論文は2026年10月12日に確認しました。



