東洋医学の本を開くと、最初に出てくる「陰陽(いんよう)」。むずかしそうに見える言葉を、昼と夜、温かいと冷たい、といった身近な例でほどきます。

この記事の要点

  • 陰陽は、あらゆるものを、対になる二つの性質の組み合わせとして捉える考え方
  • 陽は明るい・温かい・動く、陰は暗い・冷たい・静か、という性質に当てられる
  • 陰と陽は対立するだけでなく、互いに支え合い、入れ替わりながらバランスをとると考える
  • 東洋医学では、体の状態を捉える物差しの一つとして使われる。病名の診断ではない

陰陽とは、どんな考え方?

陰陽は、古代中国の思想に由来する考え方です。世の中のあらゆるものを、対になる二つの性質、陰と陽の組み合わせとして捉えます。どちらか一方だけで存在するものはなく、両方があって初めて全体になる、と考えます。

陽陰
昼夜
夏冬
温かい冷たい
明るい暗い
動く静か
上・外側下・内側

たとえば一日の中でも、昼は陽、夜は陰。昼が深まると夕方になり、やがて夜へ移っていく。陰と陽は、入れ替わりながら巡っていると考えます。

東洋医学では、陰陽をどう使う?

日本東洋医学会は、漢方の基本概念の一つとして陰陽を挙げ、体の状態を捉える物差しとして説明しています。たとえば、冷えが強い、顔色が青白い、といった状態を「陰」の側、ほてりや暑がりといった状態を「陽」の側として捉える、という使い方です。

これは、漢方を扱う医師や薬剤師、鍼灸師が、体の状態を整理するための見立ての言葉です。病名の診断ではなく、自分で当てはめて「私は陰の体質」と決めつけるためのものでもありません。

「腎陰」「腎陽」の陰陽は、同じもの?

東洋医学では、五臓の働きにも陰陽を当てて、「腎陰」「腎陽」のように呼ぶことがあります。体を潤し養う働きを陰、温め動かす働きを陽として捉える使い方です。言葉の根は同じ陰陽の考え方ですが、使われる場面によって意味の範囲が少しずつ違います。五臓の考え方は「五臓とは?」でも紹介しています。

暮らしの中で、どう使えばいい?

陰陽は、暮らしを振り返る手がかりとして使うのが、ちょうどよい距離です。

  • 昼に動き、夜に休む。陽と陰の時間を分ける
  • 季節が冬(陰)へ向かうときは、温かいもの(陽)を少し足す
  • 忙しく動いた日(陽)のあとは、静かな時間(陰)を置く

どちらかに偏りすぎていないかを眺める物差しとして、取り入れてみてください。秋から冬への季節の過ごし方は「寒露から、冷えと上手につき合う支度」で紹介しています。

もっと知りたいときは?

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Q. 陰陽と五行は、何が違いますか?

A. 陰陽は物事を二つの性質で捉える考え方、五行は木・火・土・金・水の五つの要素で捉える考え方です。どちらも古代中国の思想に由来し、東洋医学ではあわせて使われます。

Q. 自分が陰と陽のどちらに偏っているか、知る方法はありますか?

A. 自分で決めつけず、漢方に詳しい医師や薬剤師、鍼灸師に相談してください。気になる症状がある場合は、まず医療機関で原因を確かめましょう。

東洋びよりからのお知らせ

本記事は、日々の美容と健康について考えるための一般情報です。診断や治療を目的とするものではありません。強い症状、急な変化、長引く不調がある場合は、医師・薬剤師など適切な専門家へご相談ください。

本記事は広告・PRを含まない編集記事です。東洋医学に関する記述は伝統的な考え方を紹介するもので、特定の施術や食品の効果を示すものではありません。

参考情報

参考情報は2026年10月29日に確認しました。

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監修者プロフィール

濱田文恵(はまだ ふみえ)

濱田文恵(はまだ ふみえ) 国際中医師/鍼灸師(はり師・きゅう師)/国際中医薬膳師/美容家/毛髪診断士/登録販売者 日本鍼灸キャスティング株式会社(Acu Cast)代表取締役。ENBICHOJU鍼灸院(東京都江東区)院長。2015年より美容ライターとして活動。美容業界での経験と東洋医学の資格の両方を軸に、「東洋の知恵と、西洋の美容で。」をテーマに発信している。