冬のこたつの上の、みかん。その皮を乾燥させたものが「陳皮(ちんぴ)」です。七味唐辛子にも入っている身近な素材ですが、家でつくるときには気をつけたいこともあります。

この記事の要点

  • 陳皮は、みかんなどの成熟した果皮を乾燥させたもの。「陳」は「古い」という意味
  • 七味唐辛子に入っていることがあり、料理の香りづけやお茶に使われる
  • 温州みかんの果皮は、厚生労働省の区分で、効能をうたわない限り食品として扱える
  • 家で干すなら、皮まで使う前提で、農薬やワックスの情報を確かめた果物を選ぶ
  • 乾ききらないとカビが出やすい。しっかり乾かし、密閉して保存する

陳皮とは、どんなもの?

陳皮は、みかんなど柑橘の成熟した果皮を乾燥させたものです。生薬としての名前でもあり、「陳」の字は「古い」という意味を持ちます。中国の伝統では、長く寝かせた陳皮ほど香りがまろやかになると考えられてきました。

日本では、温州みかんの皮が使われることが多く、七味唐辛子の材料の一つとしても知られています。

みかんの皮と陳皮は、同じもの?

材料は同じみかんの皮ですが、陳皮は、乾燥させて、保存がきくようにしたものです。生の皮は香りが強く、苦みもありますが、乾燥させると香りが落ち着き、料理やお茶に使いやすくなります。

また、まだ熟していない青い果実を乾燥させたものは「青皮(せいひ)」と呼ばれ、陳皮とは区別されます。

食品と医薬品の区分は?

厚生労働省の区分では、温州みかんの果皮・未熟果実(チンピ・セイヒ)は「医薬品的な効能効果をうたわない限り、医薬品とは判断しない原材料」とされています。料理やお茶に使え、効能をうたって売ると医薬品の扱いになる、という位置づけです。

陳皮は、どう使う?

使い方例
お茶紅茶やほうじ茶に、刻んだ陳皮をひとつまみ
煮もの豚の角煮、鶏の煮込み、黒豆に少量
お粥・スープ白がゆや中華スープの香りづけに
薬味細かく砕いて、七味唐辛子のように

香りが強いので、少量から試してください。

中医学では、どう捉えられてきた?

中医学では、陳皮は、気の巡りや、胃腸の働きと結びつけて扱われてきた生薬です。多くの漢方薬に配合されています。

これは伝統的な生薬の捉え方で、陳皮を食べれば胃の調子がよくなる、という意味ではありません。食品としては、柑橘の香りを楽しむ素材として使ってください。

家で陳皮をつくるには?

  • 果物を選ぶ:皮まで使うので、農薬やワックスの情報が分かるもの、皮まで食べられることがはっきりしているものを選ぶ
  • よく洗う:皮の表面を、水でよく洗う
  • 皮をむいて、白い筋を取る:内側の白い部分が多いと、苦みが出やすい
  • 干す:ざるに広げ、風通しのよい日陰で、一、二週間ほど。カラカラに乾くまで
  • 保存する:密閉容器に入れ、乾燥剤と一緒に冷暗所へ

途中で湿気たり、カビが出たりしたものは、使わないでください。

気をつけたいことは?

  • 輸入柑橘の皮:輸入された柑橘には、日持ちさせるための薬剤が使われていることがあります。皮を使うなら、表示や販売店の情報を確かめてください
  • かんきつ類のアレルギー:心当たりのある方は避けてください
  • 入浴に使う場合:皮を湯に入れると、肌が敏感な人はひりひりすることがあります。少量から

陳皮を使った食品や、薬膳食材を探すには?

東洋びよりの「お店・サービスを探す」では、食・お茶の「薬膳食材」から探せます。薬膳の食材の買い方は「薬膳の食材はどこで買う?」でまとめています。

よくある質問

Q. 何年も寝かせたほうがいいのですか?

A. 中国では長く寝かせた陳皮が珍重されますが、家庭では乾燥・保管条件が一定ではないため、一律に一年保存できるとはいえません。少量ずつ用意し、湿気やカビを避け、早めに使い切ってください。

Q. ゆずやレモンの皮でもつくれますか?

A. 同じように乾燥させて、香りづけに使えます。ただし、陳皮と呼ばれるのは、主にみかんなどの皮です。

東洋びよりからのお知らせ

本記事は、日々の美容と健康について考えるための一般情報です。診断や治療を目的とするものではありません。強い症状、急な変化、長引く不調がある場合は、医師・薬剤師など適切な専門家へご相談ください。

本記事は広告・PRを含まない編集記事です。生薬に関する記述は伝統的な考え方を紹介するもので、陳皮の効果や効能を示すものではありません。

参考情報

参考情報は2026年11月4日に確認しました。

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監修者プロフィール

濱田文恵(はまだ ふみえ)

国際中医薬膳師/登録販売者/鍼灸師(はり師・きゅう師)/国際中医師/美容家/毛髪診断士 日本鍼灸キャスティング株式会社(Acu Cast)代表取締役。ENBICHOJU鍼灸院(東京都江東区)院長。2015年より美容ライターとして活動。美容業界での経験と東洋医学の資格の両方を軸に、「東洋の知恵と、西洋の美容で。」をテーマに発信している。