薬膳のスープやお茶でよく見かける、赤茶色の乾燥なつめ。どんな植物の実で、どう選び、どう食べればいいのか。生薬としての顔とあわせて紹介します。

この記事の要点

  • なつめは、クロウメモドキ科のナツメの木の実。乾燥させたものが、薬膳やお茶、お菓子に使われる
  • 生薬の名前は「大棗(たいそう)」。葛根湯など、多くの漢方薬に配合されている
  • 実は、厚生労働省の区分で、効能をうたわない限り食品として扱える原材料とされている
  • 買うときは、原材料が「なつめ」だけで、砂糖を使っていないものを選ぶ
  • 種は硬く尖っている。小さな子どもや高齢の方が食べるときは、取り除いて小さく刻む

なつめとは、どんな植物?

なつめは、クロウメモドキ科のナツメの木になる実です。中国では古くから栽培され、日本にも古い時代に伝わりました。生の実は青りんごのような食感ですが、日本で手に入るのは、ほとんどが乾燥させた赤茶色の実です。

乾燥なつめは、干し柿のような自然な甘みがあり、中国や韓国では、お茶やスープ、お粥、お菓子に日常的に使われています。韓国の参鶏湯(サムゲタン)にも欠かせない素材です。

食品として、どう使う?

使い方例
お茶刻んだなつめをお湯で煮出す。しょうがやクコの実と合わせることも
スープ・鍋参鶏湯、鶏のスープ、薬膳鍋に数個
お粥白がゆや雑穀がゆに、種を除いて刻んだものを
お菓子コンポート、蒸しパン、そのままおやつに

果物を煮るときに一緒に入れると、砂糖を使わなくても甘みが出ます。梨と合わせた一品は「梨となつめを、湯気の立つ小さな一皿に」で紹介しています。

生薬としては、どう使われている?

なつめの実を乾燥させたものは、生薬としては「大棗(たいそう)」と呼ばれます。葛根湯をはじめ、多くの漢方薬に配合されている生薬の一つです。

一方で、厚生労働省の区分では、なつめの果実・種子・葉は「医薬品的な効能効果をうたわない限り、医薬品とは判断しない原材料」とされています。つまり、食品として料理やお茶に使うことができ、効能をうたって売ると医薬品の扱いになる、という位置づけです。

中医学では、どう捉えられてきた?

中医学の食養生では、なつめは甘みがあり、体を温める側の性質を持つ食材と考えられてきました。涼性の梨など、体を冷ます側の食材と組み合わせて、偏りをやわらげる使い方もされます。

これは伝統的な食材の捉え方で、なつめを食べれば何かが変わる、という意味ではありません。季節の食材の一つとして楽しんでください。

買うときに見る表示は?

  • 原材料:「なつめ」だけのもの。砂糖や水あめで甘みを足した商品もある
  • 種の有無:種ありと種抜きがある。種抜きは料理に使いやすい
  • 原産地:書かれているかを確かめる
  • 保存方法:開封後は密閉し、冷暗所か冷蔵庫へ

薬膳の食材の買い方は「薬膳の食材はどこで買う?」でまとめています。

気をつけたいのは、どんな人?

  • 小さな子ども、高齢の方:種は硬く両端が尖っています。必ず取り除き、果肉も小さく刻んでください
  • 糖質を控えている方:乾燥なつめは糖分を多く含みます。食事療法を受けている方は、主治医や管理栄養士の指示を優先してください
  • 妊娠・授乳中、服薬中の方:料理に使う量を超えて毎日たくさん食べるなど、気になる場合は医師や薬剤師に相談してください

なつめを使った食品や、薬膳食材の店を探すには?

東洋びよりの「お店・サービスを探す」では、食・お茶の「薬膳食材」から、なつめなどを扱う店を探せます。

よくある質問

Q. 一日にどのくらい食べていいですか?

A. 決まった量はありません。おやつとしてなら数個、料理に入れるなら一食に一、二個が、多くのレシピの目安です。食べすぎると糖分のとりすぎになります。

Q. なつめと、デーツは同じものですか?

A. 違います。デーツはナツメヤシの実で、別の植物です。見た目や甘さは似ていますが、なつめよりも果肉がやわらかく、ねっとりしています。

Q. 生のなつめは食べられますか?

A. 食べられます。秋に出回ることがあり、青りんごのようなさっぱりした食感です。

東洋びよりからのお知らせ

本記事は、日々の美容と健康について考えるための一般情報です。診断や治療を目的とするものではありません。強い症状、急な変化、長引く不調がある場合は、医師・薬剤師など適切な専門家へご相談ください。

本記事は広告・PRを含まない編集記事です。食材に関する記述は、中医学の食養生における伝統的な考え方を紹介するもので、なつめの効果や効能を示すものではありません。

参考情報

公開情報は2026年10月29日に確認しました。

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監修者プロフィール

濱田文恵(はまだ ふみえ)

濱田文恵(はまだ ふみえ) 国際中医薬膳師/登録販売者/鍼灸師(はり師・きゅう師)/国際中医師/美容家/毛髪診断士 日本鍼灸キャスティング株式会社(Acu Cast)代表取締役。ENBICHOJU鍼灸院(東京都江東区)院長。2015年より美容ライターとして活動。美容業界での経験と東洋医学の資格の両方を軸に、「東洋の知恵と、西洋の美容で。」をテーマに発信している。